ケースで学ぶ!不動産投資のメリット
マンション投資に対して「難しい」と言った印象を持つ人が多いかも知れません。
確かに不動産投資は数字との格闘とも言え、なかなかハードルが高い物です。しかし、金融商品一般よりもメリットは多くあります。ただ、そのメリットをイメージするのが難しいのも確かだと思います。
そこで、ここではマンション投資に挑戦した子供を持つ女性を例に取って、不動産投資のメリットについて解説したいと思います。
ケース…とある女性の場合
40歳代の企業勤務、子供一人(3歳)で年収600万円(単身)。
3000万円の遺産を親から譲り受けています。
…運用を3つのケースについて考えてみます。
ケース1…投資信託の利用
3000万円を投資信託に預け、子供が高校を卒業する時(15年後)で解約予定。途中積立は無し。
ケース2…不動産投資の利用-1
6000万円の1棟マンション(築25年)を15年ローンで購入。自己資金3000万円とし、15年後に4000万円で売却。
ケース3…不動産投資の利用-2
6000万円の1棟マンション(築25年)を15年ローンで購入。自己資金3000万円、売却せずにそのまま賃貸として活用。
不動産投資の特徴
ここで不動産投資の特徴について紹介します。
手持ち資金より大きな金額を投資出来る
不動産投資の最も大きな特徴として、手持ち資金よりも大きな金額を投資出来る点があります。これは銀行融資の利用により可能となります。他方、銀行預金や保険会社の金融商品、あるいは株式投資は銀行から資金を借り入れて投資にまわすことは出来ません。
例えば、先の例で言えば、不動産は自己資金が3000万円でも6000万円の投資が可能です。しかし、金融商品ならば、3000万円の資金で3000万円しか投資が出来ません。
尚、ケースにもよりますが、自己資金が非常に少ない場合でも、銀行は貸してくれることもあります。例えば、6000万円の投資の際、500万円の自己資金でもOK…にもなり得るのです。
資産が残る
物件が資産として残るのも、不動産投資の大きな特徴の1つです。
購入した不動産は銀行融資を返済し終わった後も手元に残り、家賃収入を生み続けてくれます。
確かに築年数が経てば、建物が老朽化することもあり、家賃のレベルが低くなります。しかし、一定の額の収入が見込めます。
市況の影響を受けにくい
不動産投資は株式投資などと違い、市況の影響を受けにくいです。
株式投資の場合、世界情勢に何かがあった時など、敏感に相場が動きます。例えば、今回のコロナのように世の中が激変すると株価などが即反応し、場合によっては損失を被る場合もあります。更に言うならば、企業の倒産もあり得るのです。
しかし、不動産投資(住宅用)の場合はローン金利に現れる程度(現在は低金利)で、全体の収支には現れにくいです。確かに経済状況によっては地価の変動、空室リスクもありますが、不動産投資の場合はそこまで大きなリスクは少ないです。
相続税対策になる
子供がいると、資産をどの様に残すかに悩むこともあるかと思いますが、不動産投資は資産を残す上でも有利です。特に相続に対して前もって行っていれば有効です。
相続税は引き継ぐ資産のあらゆる物品に掛かります。現金、株券はもとより、美術品や骨とう品といった「趣味の物」にまで掛かるのです。
ところで、相続税の税額は各資産の査定によります。不動産は、この査定の際に有利なのです。
不動産には取引の際の実勢価格の他にもいくつかの価格があります。特に土地は「一物四価」とも言われ、「実勢価格」「公示価格」「固定資産税評価額」「相続税路線価」があります。そして、相続税の計算に使われる「相続税路線価」は、4取引に使われる「実勢価格」よりも安く評価されている場合が多く、その差が節税に繋がります。ただし、あくまでも対策の時期が重要で場合によっては、追徴課税が掛かるケースもあるので注意は必要です。
建物の寿命は?
ところで、いくら不動産と言ってもいつまでも傷まない…と言うわけにも行きません。建物もやはり老朽化してしまいます。
それでは、どれくらいの期間で使えなくなるのでしょうか?
法廷耐用年数
不動産は築年数と共に価値を失って行きますが、価値の無くなる期間が法的に決められています。この価値が無くなるのが法定耐用年数です。
法定耐用年数は建物の構造によって変わります。マンションなどに多い鉄筋コンクリート造では47年とされており、低層アパートの様な木造建築の場合、22年となっています。
耐用年数は、あくまでも償却資産を算定するのに使うもので建物が使用できる年数ではありません。
実際の耐用年数
それでは法定耐用年数を超えると建物は使えなくなってしまうのでしょうか?
結論から言うならば、建物の耐用年数は実際とは関係ありません。鉄筋コンクリート造のビルは築50年を超えても立派に使われていますし、木造建築も22年オーバーの物は多数あります。
その逆で、使用環境、立地、メンテナンス状況によってはそこまで持たないものも多々あります。
そのため、賃貸用途として利用するのであっても法定耐用年数を超えていても、状況によっては使用上は問題のない建物もたくさんあります。
購入の際の注意点
不動産投資の特徴、建物の耐用年数について述べましたが、ここで物件購入の注意点について解説します。
住宅ローンは使えない
収益用不動産の購入には不動産投資ローンを利用します。これは住宅ローンよりも利率が高く、借り手にとっては不利です。また、住宅ローンには税制の優遇がありますが、事業用(不動産投資)ローンには”住宅”ローンの様な税制(減税)優遇はありません。
これはローン自体の目的の違いによるものです。
住宅ローン控除は非常に大きな金額(所得税の還付。雇わられている方であれば年末調整)が戻って来るので魅力的ですが、不動産投資は無く、事業用ということを覚えておきましょう。
購入の際の諸経費が高い
不動産の諸経費は忘れられがちではありますが、意外に大きな額になります。特にアパートやマンションの場合、取引額が通常の住宅よりも大きくなり、経費もそれに追随するのです。
例えば、発生する大きな税金の1つに消費税がありますが、建物の購入価格にもよりますが、登記費用など諸経費で購入価格の10%前後に達します。
また、購入後には不動産取得税などが掛かり、いずれも取引額がに比例して税額が上がります。
他にも仲介手数料も取引額に比例して増えて行きます。諸経費は決して侮れないのです。
保険の勉強も忘れずに
物件の購入には火災保険の加入はマストで、地域によっては地震保険の加入が必要不可欠です。
火災保険や地震保険と聞くと、災害時に補償される…と言った様な漠然としたイメージしか無いかも知れませんが、契約内容をしっかりと確認し、内容を熟知しておくことが大切なのです。
例えば、大型台風が来た時など、状況が悪いとドアなどが破損する場合もあります。この場合、修理費用をオーナーが負担しなければならない…と思われるかも知れませんが、火災保険で修理出来る場合もあるのです。(掛け金、項目によって事故時の補填割合がかわります。保険に入っていても、もともと満額出ないものもあります。)
保険は非常に有用なアイテムとも言えます。しっかり内容を把握しましょう。
運用の結果
話をもとに戻しまして、、、
ケース1…投資信託の利用
概算、以下の通りです。
【スタート時】
・自己資金:3000万円
・途中積立:0円
・期間 :15年
・年運用 :1.1%
【結果】
・累積積立額:3490万円
・収益 :490万円
ケース2…不動産投資の利用-1
概算が以下の通りです。
【購入時】
・物件価格 :6000万円
・満室時年収:450万円
・空室率 :10%
・諸経費率 :15%
・自己資金 :3000万円
・借入金 :3000万円
・借入期間 :15年
・借入金利 :2%
【15年後】
・年間手取り:105万円
・売却額 :4000万円
この結果、15年後のトータルの収入は、
・105万円×15+4000万円=55,750,000円
ケース3…不動産投資の利用-2
概算が以下の通りです。
【購入時】
・物件価格 :6000万円
・満室時年収:450万円
・空室率 :10%
・諸経費率 :15%
・自己資金 :3000万円
・借入金 :3000万円
・借入期間 :15年
・借入金利 :2%
【15年後】
・年間手取り:105万円
この結果、15年後のトータルの収入は、
105万円×15=15,750,000円
(ただし、物件は資産として残り、15年以降も家賃収入は続きます。尚、15年後以降の家賃は年間450万円です。)
どのケースが魅力的か?
以上、(数字についてツッコミどころありますが)ざっくりと計算で人それぞれ価値観が違うので何とも言えませんが、金額が大きいほど(レバレッジを利かせれば利かせるほど)不動産投資には魅力があるとかんがえます。
まとめ
以上の通り、不動産投資の魅力が分かったかと思います。
ただ、確かに不動産投資にもリスクはあります。そのための勉強は必要です。しかし、その向こうには大きな利益が待っていることを覚えて欲しく思います。